2023 川の道千曲川ステージ 2日目 旧三箇小RP〜3日目 越の大橋CP

マイペアの選択は休憩時間を繰り上げて16:30にリスタート。穏やかな人であるが走りに関してはギリギリまで粘り、時折勝負かける走りをする。

 

彼は中学とか高校から陸上部で中距離を走っていたらしい。社会人になっても走り続け さくら道遠足、野辺山、富士五湖、とびしまウルトラなど各地を走り、また川の道フルステージは6回出走されて4回完走されている。ラン歴もさながら戦歴も素晴らしい相当なお方である。とりわけジャーニーランがとても大好きな人である。

片や私、あっちゃんはフラメンコを趣味にしていたけれど、子供が受験期に入り先生の元に通う時間が取れなくなった寂しさ紛れにトレッドミルに乗ってみたら3キロ走れないという自己の衰えに愕然としたのが約8年とか9年前。フルマラソンのPBは相当昔の4時間52分(ようはまともに走れない)。。。今でも普通のハーフマラソンを走りきれない。ひどい。。。 よくもこの川の道ハーフの切符を手にできたと自分で自分を褒めてあげたい。

マイペアの戦略は基本イーブンペース。無理せず、身体を楽にして自然に振り子のイメージで、温存を良しとして走る。彼の走る背中を見ているといつもとても楽そうだ。

彼がよく言う言葉は、『ジャーニーランを走るとどんどん自分の持っている引き出しの中身(能力、体力、情報、スキル等々)が減っていくのだけれど、その引き出しに何が入ってるかを探りながら走ることがとっても大切なんだ。』

そんな彼のクレバーな走りを私は引き出しの中身なんてほとんど入っていないものだから、見事にマイペアを掻き乱す川の道ハーフの後半戦の始まり始まり。。。(無知無謀って。。。今思い出しても恐ろしい。。。)

私にはまだ、引き出しの中身が十分に走っていない。だから、トライアンドエラーを繰り返して引き出しの中身をかき集めている状況なんだと思う。

閑話休題。

旧三箇小を5/4 16:30に出発。日差しはまだ強いがそれなりに走れる。ここからしばらくは基本下り。

日がどんどん落ちて気温が下がってくるし、RPで身体を休めたのもあり元気に進む。通りすがりの車が何台が短くクラクションを鳴らして応援をしてくれた。

十日町の商店街を通過時、ここでベンチに座っている男性。フル2回目挑戦のTさん。故障した模様。声をかけると『あっちゃん、もうダメ』と呟く。UTMFを完走したばかり。疲れが溜まっていたのかな。。。彼のような素晴らしいランナーでもこれだけ長いレースのコントロールは難しい。(Tさんはこの川の道では長岡まで進まれた。また、直後の彩の国100では見事に完走された。)

十日町の市街地を抜け十日町下条のセブンイレブン。私は早くもここで眠気が襲ってきて座り込む。本当はここで保温ポットにお粥を入れてレース中の食の細さをカバーするためちびりちびりと補給しながら進むつもりだったが実は長野市で保温ポットの蓋を落としてしまうアクシデントを起こしてしまっている。これは私の大失敗。。。本当に大失敗。。。マイペアがカットりんごを私に買ってきてくれた。これだけ何とか美味しく食べられる。

十日町から小千谷へと向かう。一瞬元気になったりすごく眠くなったりを繰り返す。眠気に抗うのは本当に大変。脳が休めと伝達しているのに抗うのだから。

この夜の区間の眠気は想像以上に大変で、周りのランナーも苦しみながら進む。彼方此方でふらりふらり。彼方此方でころんと横たわっている。

魚沼橋。やっと、牛歩の進みでここまできた。感慨も何もない。写真だけ撮って先へ進む。

魚沼橋CP

 

塩殿スノーシェルターあたり。ここはランナーがひとりでご休憩するプチ有名なラブホテルがあって、ここで米米CLUBの”ホテルくちびる”を眠気覚ましに大声で歌うんだと意気込んでいたが、その意気込みは虚しく飛び散り、スノーシェルターの壁に体を(車道に足を踏みはずさないために)擦り付けながらヨレヨレと歩くのが精一杯。 登りきった時ハッと目が覚め、シェルターの先の長い下りくらいは走らなくちゃと思ってがんばる。

でもフラットや登りになると眠くなって、トボトボ。。。私以外のランナーもそうだ。この強烈な眠気になんとか短くて効率的な睡眠をとりつつ、凌ぎつつ進むことを考える。

ジャーニーランナーの仮眠所としてよく使われるのがバス停で、とりわけ新潟のバス停は雨風雪を防ぐために小さな扉付きの建物が多い。この時私の脳は 眠い眠いというか、寝るっ寝るっ。それしか考えていない。

バス停が見えてきた。扉はないが三方囲いがあり、長椅子がL型になっていて通常なら5人ほど座れるバス停だ。そこには前後して進んでいるハーフのBちゃんが足を曲げて横になっていた。

通常なら、先客が仮眠をしているのだから遠慮して次のバス停まで進むだろう。でも、この時私にはそんな思考は全く働かなかった。Bちゃんの身体を曲げた足元のほんの子供なら座れるくらいのスペースに『寝る。。。』と呟いて身体を押し込んで結局はBちゃんを追い出してしまった。(このことは後にBちゃんに本当に謝った。彼は優しいからタイマーをかけずに寝てしまったのでかえって起こしてくれて助かったんだとビールを飲み込みながら優しく許してくれた。)

こんなこともありながらとぼとぼと進む。

小千谷市街地が見えてきた。ここで5/5未明の時間。

すき家に入り、しじみ汁を飲んでしばし目を瞑る。マイペアは元気が出るようにうな丼を食べていた。

この先、以前CPだった和田邸。シャッターが下ろされ、かつての賑わいの面影は記憶の中。(和田さん感謝しています。)と気持ちを込めて一礼する。マイペアも少し和田邸の思い出を話してくれた。

この先、綺麗な広い道。

何台かの車はスピードを上げて追い越していく。 その中で一台、ランナーに向かって『頑張ってくださいー!』と大きな声援。どこかで聞いたことのある声だ。多分Tさんの声のような気がする。確か車はトヨタ以外の国産で横浜ナンバーだった。(車の車種を確認するのは私の職業上の癖である。)遠くから最後の鼓舞に来てくれた。ありがとう。進みます。

この先越の大橋CP。堰を兼ねている橋で、信濃川の川幅も広く、堰から落ちる水の音がもの凄い。若干高所恐怖症なのに橋から川を覗き込んでしまった。吸い込まれそう。怖い! ものすごい恐怖を感じた。怖くて走って越の大橋を通り抜ける。ここで脳裏に出てきたのが 宇治川に身を投げる浮舟(源氏物語宇治十帖)。なんでこの物語が出てきたのかは不明。むちゃくちゃだ。

越の大橋CP

 

ここからしばらく進むと長岡へ。

まもなく夜が明ける。。。

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追加

  1. この区間は、ハーフの後半で一番辛そうに走っていましたね。
    やはり、睡魔ほど辛いことはないですよね😅
    しかし、そこを耐えたから、この後の走りにつながったと思います!

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